スノウ、俺にそんな権限はないけど、ウイルス感染なら今すぐウイルス除去装置の稼働を…
え?もうやってる?
[スノウは生物学者の話をしてくれただろうか。
自分以外にそんな指示を出す人がいたことに驚いてしまう。
いや、総会出席者も残っているからいてもおかしくないか…。
ほっと、未だ震える手を握った。
それにしても一体誰だろう。
名簿で確認してみれば、古めかしい眼鏡をかけて長髪をまとめた男性の姿が。
あれ、よく見ればどこかで見覚えがある…気がする。
どこで見たんだろう?「先生」の付き添いで行った学会だろうか。
うーん、と記憶をあさってみれば。]
あ、先生のお友達って人にそっくりだ。
[今の時代に珍しく、データではなく色あせた写真を見せてもらったことがある。
まだ随分と若い「先生」と一緒に写っていた青年とこのオオイ=リー・アレクシス・ブヴェルニャルニョル(…変わった名前だな)さんはよく似ている。
「先生」の年齢を考えればもう結構な歳のはずだけど。血縁者か何かだろうか?
「先生」によると、写真の彼も生物学者という話だったので、もしかしたら同一人物かもしれない。
迅速で的確な指示にひっそりと感謝しておく。
まさか自分への警戒故とは思いもせずに。>>2:363]