旅人 ニコラス

― 翌朝・宿屋�@の部屋へ ―

[目が覚めて真っ先に占い結果を確認したら、そもそも占い先がシモンからゲルトにずれていたことが分かって心底がっかりした。

極限まで落ち込みながら、ゲルトの顔を見ようと部屋へ向かえば、リーザの声>>3が聞こえてきた。そちらに向かうと看板娘が廊下にへたり込んでいる。

お嬢ちゃんこそ大丈夫かと、まず優しく声をかける。だがすぐに部屋へ視線を向けた。そのせいでペンダントの変化の色ムラにはまだ気づいていない。]

ゲルトが居なくなったなんて？！　

[最初に感じたのは友人に対する理不尽な憤りだった。目が覚めたのに、どうして僕のところにこないのだという。

しかしすぐに、いやあいつがそんなことをするはずがない、とも思う。
朝に弱く眠そうにしているゲルトを教会に連れて行って、目が覚める様子を確認できしだい”起きた、起きた”と喜ぶ自分に何も声をかけず、黙って一人でふらふらするなんて、と。

第一儀式の直後よりずっと眠ったきりの友人に、傍で看病していたリーザの目を盗んで抜け出す体力が残っているのか？]