― 中庭・本部近辺 ―
……は?
[うっかり変な声が出たのは許されてほしかった。
いやだって、張った結界の上の方にぶつかっている感触がある、なんていきなり盟約精霊に言われるとか、想定外すぎる]
上の方、って……。
[足を止めて、上を見る。
虹色の光彩が、きらきらと瞬いているのが見えた]
…………ええと。
[そこに何がいるのかはわかるが、この状況はどうしろと。
落下の衝撃を和らげるための降下系の術は相棒との連携のために取得しているが、高い所へ飛ぶ上昇系の術とは縁がないのだ。
しばし、どうしたものかと思いつつ上を見ていたが、その内、小さく息を吐いた]