― マルール王国軍野営地 ―
[しっかりたっぷり風呂で遊びつくした猿たちは、次の行動に移る。
まずは、浴場の改良案を先ほど案内してくれたナイジェルの家の者に渡しておいた。
葦で編んだボールが欲しいだの、潜れるくらい深いところが欲しいだの、直接川の水を温めながら引き込んで流れる浴槽にすればいいんじゃないかだの、好き放題である。
食事と休憩を挟みながら、中心メンバーらと車座になって今後の話をする。
その席には、司令官の采配で託された工作隊の部隊長や士長らもいた。]
こっちが《骨牌》のみんなだ。
今回、俺たち《猿》と一緒に動いてくれる。
[まずは双方を引き合わせる。
《猿》の指示で動くことに反発を覚える正規兵だっているだろうけれど、さすがは兄の選んだ部隊だ。街の工事などで顔なじみになった相手も多く、連携に不安はない。]