―夜明け・談話室―
[夜が明けると、特別に変わった様子があるでもなく、談話室へと向かう。既に人がいたならば挨拶の一つくらい交わしただろうか。或いは、誰も居なければ何をするでもなく、誰かが来るまでじっとしていただろうか。]
――既に、一人欠けていることには、一体誰が気が付くだろうか。
[心の中で漠然と呟く。或いは、当事者がその事実をそれとなく仄めかすこともあるだろうか。
…は何もしていない間、己の記憶からアルバムを引き出すように、回想へと踏み込む――
――とは言うものの、もし誰かに朝食の準備の手伝いを頼まれたならば望み通り手伝い、蒸発したゲルトの捜索についても頼まれたなら手伝いもするだろう。]