(ひとしく安らかに 神よ、あなたを信じた者の魂は、せめてすくい賜え)[両親が死んだ時と同じ言葉を、あの時よりほどは心を込めずに胸の中で繰り返しながら盛山の前を立つと、森の民の一人が腕を引いた。]なぁに?[フードを取ったままの赤毛は目立つらしく、あとでつけようと思いながら、小さな手紙を寄越される。相手を見れば「鳩がつけていた」と口が動く。どうやら誰かが森で拾った鳩の手紙を、急いでこっちに寄越したものらしい。それに見覚えのある文字が書かれていたのも原因だろう。>>0:97]