そういえば――…
[学館の事を思い出して、女は首を捻る。
一年間だけ、クロードの傍にいた金色の髪を持つ女生徒。
彼女もまた論議に参加していた生徒の一人だった。
ロイ兄様、と呼ぶ姿や滲む雰囲気からは育ちの良さが窺い知れ、どこぞの貴族の子女だろうと思っていた。
二人の様子から本当の兄妹ではないだろうと推察出来たが、まさか騎士団が奉ずる巫女姫その人だとは知らず。]
…何処にいるのだろうか。
[>>154民が戦うべきではないと主張していた姿を思い出す。
戦いに近しい場でなければいい。
血煙の建つ、そんな場所が似合う人ではないように思えたから。*]