― 図書館 ―
[街の片隅にあるその建物は、お気に入りの場所のひとつだった。
並べられた無数の本。
記された内容は様々で、過去の出来事の記録だったり、誰かの生み出した物語だったり、食材の調理法だったりするけれど。
いずれの文字も、赤色の花精の心を躍らすものには違いない]
はあい、ファミルさん。
じゃあこれ、戻しておきますね!
[カウンターに座る人物>>4に声を掛けると、花精は勝手知ったるとばかりに館内へ踏み込み、『夢診断入門』と書かれたその本を元あった場所まで戻しにいく。
素っ気なく見えるその態度も、特に気に留めることはなかったのだけれど]