[グロル海峡へと進入した帝国艦隊は複縦陣をとる。
機雷掃海艇が露払いする後を皇帝旗艦シュヴァルツアインを含む戦艦6隻と巡洋艦4隻からなる火力を誇る第一艦隊が黒い山脈めいて進む。
その北側に並列するのは、腹心たる扶翼官ルートヴィヒ・アルトハーフェンが率いる巡洋艦6隻と空母1隻の高速機動艦隊(第二艦隊)だ。
そして、第一隊の後ろに巡洋艦3隻が護衛につく水雷母艇2隻の第三艦隊、第二艦隊の後ろに同じく巡洋艦2隻と空母3隻からなる第四艦隊。そのさらに後方には戦力にはカウントされない兵站輸送船や医務船が連なる。
先のウルケル警備隊との一戦で砲撃を食らった艦もあるが、航行不能にまで陥ったものはなかった。]
ウルケルを制し、帝国は陽の沈まぬ国となる。
[その声も瞳の光も、揺るぎない。]