― 首都ブラバンド ―[群衆の目線より、一段高く設営された舞殿の中央。息を飲むような熱視と、高まる期待に囲まれた其処に座するのは、白と藍色を基調とした巫女装束を纏った娘だ。日差しを編んだような陽金の髪は、左右に高く結い上げられ、祭祀を祝う鈴が飾られている。祈るように眼差しを伏せる娘の両手は膝の上に、寸分のずれも無く揃えて置かれている。彼女は待っていた。 …――――――、始まりを]