― ケノワ砦 ―[普段は騒がしい猿たちだったが、今は沈黙していた。知った顔の兵を見ても黙って武器の柄に手を掛けている。砦に至る道程の間、ボスが必要最低限しか話さなかった。そういう時のボスには触らないのが吉だ。今にも武器を抜きそうな両者の間に、奥から駆けてきたものが割って入る。>>137その顔に見覚えがあって、あ、という顔になった。現れたのが知己であることが、僅かに緊張を和らげる。]