[ ふわり ][ 血の臭いがした。 心臓が大きくはねて、次第に音を増していく。 この臭いの先にあるもの。 それが何か、私にもわかる。 ゆっくりとそこに近づいていく。 そして、香りが一層強くなり視界には 夥しい量の赤が広がった。 ]