―2階・客室―[>>2:245遠くから此方側に駆けてくる足跡は女のものに聞こえた。何処か焦ったような血親の気配が近づいて来るのに気付けば、男は其方を振り返って。]――…っ、アプサラス。[自分の名前を紡いで部屋に飛び込んできた彼女の姿に男は驚いたように目を瞬かせる。けれど彼女の視線はジークムントの腕に向かい。小さく息を飲み、直ぐに言葉が継げぬ様子の血親に少なからず戸惑う。こんな血親の姿を見るのは初めてだった。]