[彼の剣は慈悲深いなと常々思っているし、直接言ったこともある。なにしろ、相手の急所を一撃で仕留めるのだから。残るのは、綺麗な死体一つだ。諸々まき散らす自分とは違う。彼なら金庫を開けるのにも、見事に扉だけ断ち切ったりするのだろうか。などととりとめも無いことを考えていたら、横を抜けていった彼の部下が、皇帝に賭けると言うのが聞こえてくる。これは必ず金庫を叩き潰さねば、と妙な使命感を覚えた。*]