人狼物語−薔薇の下国

389 ルー・ガルー戦記 8 〜海峡攻防戦〜


モルトガット皇帝  アレク トール

[世話係は「可哀想に」と言ったが、アレクトールにはその同情が理解できなかった。]


  嫌な声だ。


[吐き捨てて横を向く。
それ以来、同じ場所を通りかかっても、狂った旋律を聞くことはなかった。

航行中の船から人が消えるということはあり得ない。
ならば──あの子は死んだのだろう。
狂った歌を皇太孫に聞かせないために殺されたのかもしれない。そんな憶測が過る。

子供の名は密やかにアレクトールの胸の裡にしまい込まれ、戒めとなった。*]

(4) 2015/11/06(Fri) 08:04:06

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