手伝おう。
人手がある方がいいだろう?
[二人のうちどちらかから銃や弾丸を受け取り、地下へと向かう。
ギィの後ろに付き従うジェフロイの背を見て、5年前の惨劇を思い出す。
確か、声を掛けてきたのは彼の親友と言ってもいい人物だった。
そして、一時彼の姿が城内から、少なくとも自分が知る範囲では、消えていたのも知っている。
何がその間行われていたのか、具体的な内容は知らない。けれど、王子の日頃の行いを考えれば、ある程度の想像はつく。
多分、自分も彼と同じようになる可能性はあった。
というより、自分が本来は受けるべきものだった筈だ。
けれど、同期の立場、咄嗟に頭をめぐった自己保身の考えに足踏みし、彼だけに辛い立場をおしつけた。
罪悪感も何もかも、独りよがりであることは知っている。
けれど、次があるなら、卑怯者にはなりたくない。]