─0日目・AM11:15・ラウンジ─
…見ただけでわかるだなんてすごいな。
僕はこういうのには疎い…というか、触るなとすら言われてたから知識がないんだけど。
[相変わらず何を話しているかは理解出来ないが、ただの箱に見える暖房具相手によくここまで語れるなと関心すら覚えた。しかし彼>>42の機嫌を損ねてしまったようで少々の申し訳なさも覚えたのは確かだ]
……初対面の君に頼むのも気が引けるんだけど、君ってこういうものにも興味がない?
[胸ポケットから彼へ出したのは父から祝いにと貰った年季の入った懐中時計──しかしそれは【八時二十四分】を指して止まってしまっている。
古い魔導回路を使った時計らしいが、自分にはなぜ止まっているかは理解が出来ない。…が、こういったことが得意な彼に委ねれば直るかもしれないという“甘え”と、知りたいと望む彼の願望を叶えてあげたいという“下心”を孕んだそれを受け取るかは彼次第だが、時計を差し出す男の瞳は妙に澄んでいた]