卑下するな、お蔭で俺は無傷だ。[土煙の中、ようよう声を出したイースに獣頭が応えた。>>0:241 彼が弾き飛ばされたのは、自身へ力を配分した為だと分からぬほど木偶ではなかった。もし彼が保身の為に堅強な防護壁を眼前に築いていれば、大事があったのは己の方だ。元々肉を切らせて骨を断つ戦法を得意とするものの、先程の直撃を喰って唯で済むとは思えない。 ―――― 彼がこうして、己が負うべき傷を肩代わりするのも初めてのことではないが。]