― 自室 ―[また、あの夢だ。気分は不思議と凪いでいるのに胸の痞えは日に日に増していくようだった。その理由が夢のせいだと分かっていても、解決策はない。毎朝の習慣として予防薬の小瓶を手にし、掌に出した数粒を口に含む。水で喉を潤し口元を拭うといつもと変わりなく軍服に袖を通しながら今日一日の段取りを組んでいった。資料は一通り日付順に揃えたが、内容の把握はこれからだ。状態の悪いものは優先してデータへと変換していくべきだろう。]