―夜明け以前のこと―
[誰かの気配が、傍へ近づいた感覚がして無意識に手を伸ばす。
それが誰だったのかは解らないけれど
ほかほかな…、風呂上りの良い香りと暖かさに包まれていた。
些か強引にその手を掴んで腕の中へと招き入れ、>>0:219
優しく頭を撫でてくれる所作の心地良さに思わず口角を歪めたのは
完全に夢心地だった所為だろう。
暖かいひとの温もりを、ルートの身をきゅ、と抱き締め
時折、毛繕いでもするかのように銀髪へ鼻先を差し入れたりしつつ
深い眠りに陥っていた所為で、新たな祭り参加者の気配に
気づく事に遅れてしまい。]