陽が……沈んでいく……[遥か頭上に丸く浮かぶ空の色を眺めながら、ぼんやりと体育座り。街の方では今頃祝賀会が行われているのかもしれないが、その音がこの深い縦穴に届くこともない。] (…………ぐぅ)[不意に腹が鳴れば、長い耳がへにゃりと垂れた。] お腹……空いた……。むぅ……[誰かが仕掛けたモンスター用の落とし穴に引っかかって、かれこれ十数時間。 割と真面目にこの罠から抜けださなければと思うのだが……どうしようもないので、うつらうつらと船を漕ぎ始めるのだった。]**