そう……でも、気を付けて。
この『夢現の村』の噂話の裏にはもう一つ。
まことしやかに囁かれる影のような、
ある謎の『組織』が関与しているらしいの。
棘のない薔薇を期待するのは、人間の愚かしい性だわ。
夢を現実にするためには、
それなりの試練や対価が必要になるかもしれないから…ね?
…まったく。それでも行くというのなら、
あなたもフレデリカと同じ物好きか…藁にも縋りたいのかしら。
でもまぁ、幸運くらいは祈ってあげるわ。
―――……行ってらっしゃいな。
[ツィスカはひらりと片手を振ると、立ち話を終えて歩き去った。]