[但し任務ではあるからと、幾ら私情が不承であっても、【入島に関する事前承諾書に署名はした】。だって其れが与えられた役目であるのだから。
だから、背後から来る軽い足音に気付くと、如何にも規律正しく背筋を伸ばし、そこに立つ、明るい髪の少女を振り返る。歳の頃合いは同じか、いや少し下であろうか?と目を細めて見た。]
出港時も説明した通り、島への到着時間はマルハチマ…
[まで言い掛けて、違う、と首を振る。]
到着時間は、午前8時。あと2時間ほど。その間、船内を自由にして貰って構わない。空腹なら、簡単な支給食も出るから。もう受け取った?船酔いなど気分が悪くなりそうなら、早めに言うように。
[何度か繰り返しているのであろう、息も継がない立板に水で一息に述べた。他には?とでも言うように少し顎を上げて首を傾げた後、付け足す。からかわれるのは遺憾だとでもいうように。]
先生じゃない。港内のオリエンテーリングでも名乗ったかと思うけど、ゾフィヤよ。階級は准尉。島内ではあなた達と関わる事が多くなるでしょうから、覚えておいて。