[村の時計台は10時59分をさしていた。それは一日に二度起こる何の変哲もない規則的な動き。しかし、今日に限っては規則的な動きにもかかわらず、それが人に不自然さを感じさせるのであった。]
[だが不自然さを感じさせるような空気でも、時の流れは止まらない。]
[そして11時になり、夜中用の少し控えめな鐘の音が鳴った時、その予感は的中した。静けさのない夜に爆発音がこだまする……]
……瞬間移動完了。
ここが我が支配することになる村か。我が侵略の足掛かりとしてはちょうどいい大きさだな。
皆のもの、良く聞け。我は闇より現れし魔王、ドロシー・ノワール。
村はこのドロシーが支配する!
ひれ伏せ我が僕ども!