―レストラン→―
[レストランから出てしばらくすると、白猫からの宣告が来たか>>5:251。
予想通りの名前に、ちらりと一瞥しただけで構わず歩いていく。
考えているのはもう一人。テオドールの方。
金馬号に、俺より長い期間乗ってる年下の先輩。
男が乗った頃は、まだ未成年だったか。
――あいつの出身では何歳から大人なのか知らないが。
いつの頃からか一緒に飲むようになり、飲み仲間となっていたのだったか。
それも結構よく飲んだ方。何しろ一緒に捕まった仲だ>>0:183。
よく、賭けをして奢ったり奢らせたりもした>>5:211。
イカサマをやられたりもしただろうか。
それを知って、仕返しにガキみたいな悪戯を仕掛けたりして。
男はいつまでも少年時代に生きるから>>5:167
割と気が合う方だったから。
――だからこそ、喰い殺してやりたかった。
疑われたという恨みは、仲が良かったほど黒く昏く染め上げる。
元々あった破壊衝動と相俟って、喰い殺したいという欲だけが積もった。
最初は自分が行こうと思ったのだ。
それでも船長に頼んだのは、歳で疲れていたから。
嘘。死にたくなかった。
でも、もういない。
残念だと嗤ってやる気にもなれない。
後に残ったのは、清々したという気持ちだけ。
もっとちゃんとした“友達”になりたかった。]