―学校跡地・西寮―なあ。おまえは、どうして軍に入ったんだ?[幻の面影に向けて、語りかける声が嘗ての西寮に響く]俺は――… 両親が死んじまってさ。 その後、養ってくれた爺さんも死んじまって……[言葉が途切れる。遠いとおい、懐かしくて痛い、まっかな記憶。ゆるゆる首を振った。金砂色の髪がはらり。と揺れる]