[ まず視えたのは、穏やかな白衣の先生の顔>>4:293。
普段と変わらぬ様子で語り掛けている。
精神を集中し、耳を傾ける。
普段ならこんなことをしないのに──……。
『僕にガルーがいたとしたなら、
そう発覚したときはその場で、葬って欲しい。
なるべく怪我人は出したくない。
無自覚で、突如人の前で発言して襲いたくない。』
──ずきり。ずきり。
心が痛む。ジークムント先生は間違いなく人間だ。
一部であれガルーが体内に存在する僕なんかより、
ずっと、ずっと人間じゃないか……!