彼女たちはいずれも、王家に忠誠を捧げた騎士です
どうか温情を賜りたく…
[監査局長から声がかかると>>1、わたしは一歩前に出て、鉄兜を脇に抱えたまま深々と頭を下げた。その上で名前を呼ばれると、わたしは一瞬だけ目を瞠ってから顔を上げる]
……いかにも、わたしがドロシー・ブライアンですが。
[以前もこうしたやり取りがあったと思い出したが>>0:361>>0:396、まさか彼までもが髪の事を言ったりはしないだろう。目の前の人物は、確かシュナウザー監査局長だ。王の間で遺書の審議について調査に当たっているはずだ。
そんな彼が、一介の士官にすぎない自分の名を知っているとは、…───もしかしたら、フィオン外務長官がわたしにあの時尋ねた、あの事>>1:292に関連しているだろうか]