― 湖上庭園 ―
[宮殿内は付喪神捕獲の邪魔になりそうだったから、私は再び湖上庭園の一つに出た。
ここに居ても付喪神は出て来そうだったが、中よりは少ないだろう]
そう言えば、あの時の傘はどこへ行ったのだろうな。
[他の者を驚かせて回っているのだろうか、などと考えながら視線を巡らせていると、渡り廊下の屋根の上に人影>>1:78を見つけた。
器用に屋根の上を駆けているのをしばらく眺める]
身軽なものだな。
[そう言えば合同事業を共にした半妖の青年もかなり身軽であったな。
あれだけの動きが出来るならば、彼もアヤカシの血を持つ者なのだろうか。
彼が魔精霊と呼ばれる存在であることを知らぬ私は、そんなことを考えながらしばらく彼に視線を注いでいた**]