[扉の開く音にまたびくついたけれど、聞こえた声があの二人で無ければ、恐る恐る顔を覗かせる。
毛布の影から眼だけ光らせ相手の様子を伺って]
……――名簿のたぶん一番上。
僕、招待状とかそんな堅苦しいものは持ってないよ。
他人行儀で好きじゃないから、毎回免除してもらってるの。
君、見ない顔だね。新人さん?
[彼女は彼女の仕事をしに来たのだろうと、>>1:98先の言葉を思い返して、応える。
…別段、男同士だから如何、という偏見がある訳ではない。
ただ本当に吃驚しただけだ。
手を伸ばしたのは、確かにイェンスだった。
何だか困っていた様子だったからちょっぴり心配していた自分が、なんだかすごく馬鹿みたいだと、吃驚が通り過ぎた後で、ほんの少しだけ落ち込んだ]