ー回想・管理小屋付近ー
[薬草を摘み終えた後、そろそろ外出禁止時間であるというのに城への道すがら聞きなれた声がした。
何をしているのか、少しばかり足を早めれば、長い何かを運ぶギィとジェフロイと出会った。>>0:623]
必要な薬草は手に入れたから、帰るところだ。
外出禁止なのはあんた達だって同じだろう。
一体何を、……ああ。成る程。
[近くに寄り、彼らが運ぶものの正体を知った。
一発の破裂音、先程まで力強く空を切っていた翼が力を失い、空から堕ちる。
昔王子の狩猟に同行した時に見た見た光景が脳裏に蘇る。
自身がその恩恵を口にしていることは知っている。けれど、あの時見た、撃たれた獲物の光を失ったガラスのような目が忘れられない。
それはそのまま、射手のイメージとなり……
そこまで考えて、脳裏にこびりついた映像を振り払う。
自分は、同期を誰よりも労る彼の姿も知っている。]