―夢/回想:42年前―
「キャアアア!!」
「逃げろ!!」
[痛いよう] [熱いよう] [怖いよう]
[みんなみんな、逃げていく]
[助けて欲しいと手を伸ばすのに、誰も取ってくれない]
[近くから獣の息遣いが聞こえる]
[この獣せいでみんな逃げてると、4歳の頭でも容易に想像はできる]
「こちら第三セクター!
隔離していた被験体No.92が暴走中!
合わなかったのか凶暴化して他の被験体まで襲ってる!
早く殺処分――ギャアアア!」
[どこへ連絡していたのだろう]
[白衣の人に助けてと手を伸ばした瞬間、赤い物が噴き出した]