[一歩外に出ると、ちらちらと白いものが視界を掠めた。頬にふれた冷たい感触に…は頭上を仰ぐ。重くのしかかるような灰色の雲から雪が降り始めていた。雪はまるで細かな泡のようで。或いは、たくさんの白い魚達が、灰色の空に放流されたかのようだった。はらはら、ひらひら、と、舞い降りる雪。]