……嬉しい。[僅かに口許に言葉通りの笑みを浮かべ、小声を洩らす。普段押し殺している本音。けれどそれはすぐに、旅先に向かう車内の同級生達の声に掻き消える。自分が座る席、隣にいるには幾分居心地が悪く、けれども心から嬉しいと思える彼女の隣にいられる座席へと戻る足取りは、どこか軽い。けれど──……]