― 歴史書の語る ―
[南の大国、アリューシュの侵攻と併呑。
世に暁の国と謳われ、豊かな栄華を誇ったと伝えられるラメール王国は、これを境にその名を喪うことになる。>>0
ラメール王国の最後の王の名を、ウェルシュ・フォン・ラメールという。第二王子として生まれた彼を、世継ぎと定めたところにラメール騒乱の悲劇があった。
第一王子フェリクス・フォン・ラメール。
勇猛な武人であったと伝えられる彼ではなく、第二王子を世継ぎとしたところ、暁の国は二つに割れた。その決定に反発した者が王を殺し、国は乱れ、暁は急激に斜陽へ落ちて行ったと史書は伝える。
暁の国は、元々南北より常に狙われてきた国だった。
国は豊かなれど決して大きな国ではなく、故に、一度国内が乱れてしまえば滅びゆくのも必然であったと言えるであろう。]