[ウルケル本隊の戦列の後ろを擦り抜けて東へ進んだ第一艦隊は”水路”へと進入するにあたり、並走していた戦艦と巡洋艦とが合流して単縦陣をとる。
巡洋艦2-戦艦2-巡洋艦2という順序だ。
先行した掃海艇部隊が作業をした後とはいえ、新たに機雷が敷設された可能性もある。
だが、安全確認をしながらのんびりと進むわけにはいかなかった。
先頭艦は運を天に任せ、機雷があれば自らのボディをもって発見・除去することになる。
他艦の通った後だけが安全という状況はおそらくウルケル側も同じだ。
そして、この第一艦隊の後方を、南側戦域を抜けてきたタクマ艦隊の2隻と、回頭して立ちはだかる帝国戦艦2隻の壁を打ち破ったゲオルグ本隊が追ってきていた。
第三艦隊がゲオルグに攻撃を仕掛けるべく展開し、護衛巡洋艦2隻と交戦している。遊軍のように自在に動くナハティガルがそこにいた。
南方でタクマ艦隊別働隊の相手をしていた第二艦隊は巡洋艦1隻を失いつつも、複葉機と水雷艇の協力を得て悍馬ヴァイを沈め、第一艦隊を援護すべく駆けつけんとしているところ。]