― 深夜 ―[疼く左手に耐え、渇く喉を押さえながら掃除用具の扉に手を掛ける。シモンが近くの部屋にいると判っていても、気遣う事無く、錆色の獣に変化すると鍵を砕いた][彼の聲はもうヨアヒムの為だけにあるだろう。自分の聲に返って来なくても構わなかった]