― 平原南 ―
[がむしゃらに走らせていた馬の足を緩め、立ち止まるに任せる。
ようやく追いついてきた兵たちが、どうしたのかと問う声にも答えず、黙って北の空を見上げた。
話せるわけがない。
己と、どれほどの距離をも超えて心交わす者がいることは、お互い以外知らない秘密なのだから。
けれども今回のことで疑う者もいるだろう。
なにか対処を考えなければならない。と、どこか冷静な部分が思考する。]
なんでもない。
……いや。フェリクスが、死んだ。
最後に、私に、 …。
[いずれ憶測を呼ぶのなら、今明かしてしまっても問題ない。
魂の絆持つ相手が