─ 川 ─
[>>0零した呟きは、無意識によるもので。
彼が私の声に反応して振り返ったのも、気付いてはいなかった。
だから、その表情も、視線を前へと戻したのも気付かないまま手当に入って。
素直に応じてくれるのもあって、滞りも手間も無く手当を終えて上着の繕いに入ったのだが]
はい?
[>>1そっちは大丈夫なのか、という言葉に、ぱちりと瞬く。
こちらの怪我のことを聞いているのかとすぐに解して、あぁ、と声を紡ぎ]
大丈夫ですよ。
これが終わったら、ちゃんとしますから。
[綻びを縫い始めた彼の上着を軽く持ち上げながら、答えを返した*]