− 東海上 − >>3:121[ 切っ先に手応えがあった。深い傷ではなかろう。ギデオンは剣が食い込むのを嫌って、撫で切るように刃を走らせたのだ。どのみち、これは序章なのだから。低い位置からギデオンが斬りつけのるとほぼ同時に、旋回した槍が襲いかかる。ギデオンは、掬い上げ跳ね飛ばさんとする柄に手を置いて、掴んだ。上へと向かう力を利用して勢いを乗せ、バルタの顎を狙う後方宙返り蹴り《サマーソルト》を放つ。月光を反射する青銅剣は放物線をなぞり、大きく後方へ跳んで間合いをとったギデオンは、残心した。]