[しかし同時に、僕の中では彼女への疑念もあった。
玉座の間で"偽造"と最初に言葉を発したのは彼女。
あれが総督の仕込みであったなら、その策の一翼を担える程の信頼を受けていた筈。]
(だが、彼女は現に総督を見限った。
ただの風見鶏なのか、それとも。)
[まあ、僕も人のことを言えないけれど。
とにかく幾つか確かめておきたいこともあって。]
君には、此度の暴発に至る経緯などを聞いておきたくてね。
……同行してもらえるかな?
[そう申し出ることにした。
もちろん強制ではないので、断られればどうしようもないのだが。]*