― キュベルドンの森 ―[森へと帰還する本隊の足取りは重かった。無理もない。あれだけ激しい戦闘を越えてきたのだから。そのうえ、多くの犠牲を払っても目的を達成できなかったとあれば。太陽が地平線の向こうに隠れ、平原を闇が包み始めた頃、兵たちの前にキュベルドンの森が黒々と現れ始める。凱旋というわけにはいかなかったが、ともかくも休めるところまで帰り着いてきたのだ。兵の間に、安堵の空気が流れ始めた。]