[見事なる大鹿にまたがる異国の衣纏う女性である、と判断したのは、かのひとが言葉を掛けてきてからだった。何者かと思うより先に、下馬して一礼する。それはなによりもまず、女性へ対する礼であった。] ご忠告感謝する。 そなたはもしや、この神域の主であろうか。 なればまずは、私たちを呼び合わせていただいたことを感謝したい。[これほどの装いのものなれば、嘆願者ではなかろうという見立てである。*]