― 月の舞台 観客席 ―[気難しそうなメルヒオル。握手をかわしたヴィンセント。互いの戦いぶりを見ると、何やら事情があるようにも思える。変形した。とか、その辺りもだが、あそこまで思いっきり戦うだけの理由があるというわけだ。その点だけでも、観戦にきてよかった。] そうだな、そのほうが俺らしい。 嫉妬して、力を増したのだとしても――それは結局、ただの暴力だったんじゃないか。って、後で悩みそうだ。[愚直に進む魔族にとっての矜持としていう。らしい。という単語に口元に笑み、冗談めかしていう。]