………剣を持って、力ある権力者になることで、何者からも守る力があると思っていた。
[相手を見下ろす。
割れて硝子の刃となったものに串刺しにされている身体に手を差し伸べるでもなく、代わりに頭部を膝元に落ち着かせる。
声色は、昔。
絵本を読む時のような、潜められたもので。]
………でも、命を捧げることで、守れるのならそれも……ありかもしれない。
[結局非力で、生涯から何一つ守れなかったのだから、この生に何の意味があるというのか。
何の為に生まれ変わったのか。
その目的すら、“奪われてしまう”のなら。]