―― メリーダウン前(回想) / メイン・サロン ――
あ、いや、だからお前の方が怪我したのかと思…
[『他に誰が』と言われて、思わず答えかけた言葉を最後まで話すことが出来なかった。>>511
その表情と、泣きそうになっている様子を見れば、流石にこれは、自分のことで余程心配をかけてしまったのだろうと、気付かないわけにはいかなくて。
その場にいるカークの方に、おろおろと視線を投げかけて見たりとかもするが。
その反応がどうだったにせよ、続けて語られる言葉には]
……その、悪い……
[かろうじて、そのような言葉だけを、返すことが出来た。
いや、肩は、それは痛いと言えば酷く痛いが。
どちらかというと、具合の悪そうだった彼が動揺することの方が、大丈夫なのだろうかと、気になったのだけれど。
拒まれなければ、恐る恐るもう一度、肩に手を置いて。]