( 今は )( 私も亜梨沙も、一緒…… )[痛みを振り払う様にそう言い聞かせ、半歩後ろをついて来てくれる亜梨沙を振り返る] 着いたら何食べようか?[月が浮かぶ夜空の下、一瞬出会った頃の様に手を伸ばし、その温度に触れたいという気持ちが過る。先ほどまで視線の先にいた、笑い合う初老の女性達の様になれたらいいのにという言葉まで、こぼれ落ちそうになる。それを心の奥に封じ込んで、喉の奥呑み込んで。代わりに他愛のない話を振ってみる。それこそ、友人同士の様に]