[また何かを食べねばならぬ。本能が囁くままに訪れたのは、あの時カスパルを信じてくれた男の家。中から気配があり、扉に耳を付けると彼は「死にたくない」と何度も何度も繰り返していた。彼には恩がある。カスパルを信じてくれた恩が。] ありがとうございます。 ……あなたの望みを、叶えましょう。[その後カスパルが密かに村を去り本当の意味でこの人狼騒動が終結するまで、カシムの家へ入ってくる存在は一つもなかったことだろう。*