− 聖殿 / 朝 −
[礼拝に参加した後で、妻が用意してくれた朝食をとる。
彼女は聖殿にいても引き蘢ってはおらず、食事の支度などを手伝っていた。
トビアスも目が不自由ななりに手伝っているらしい。]
「姫君も働いてらしてよ。気さくで素敵な方ね。
妖術師が本当に戻ってくるなら、説教しに行ってしまいそうだわ。
よくよく気をつけて差し上げてくださいませ」
心得た。
ありがとう、
君たちは何よりもわたしに勇気をくれる。
[妻の額にキスして、向うは街の宿。
サシャを訪ねて、昨日聞いた話に出てきたキサンの鍛冶屋と引き合わせてもらえるか打診してみるつもりだ。]