それから。紳士な君には良いことを教えてあげよう。[頭一つ、周りから抜けたふたり。金髪から覗くカナンの白い耳に、手を添えてそっと、小声で] ―― 私のことは、享と呼びなさい。[カナンは、意味が分からないという顔をするかもしれないが。その方が君のためだよと、小さく付け足すとしよう]